ThinkPad E15 Gen2 の中古を買った

published_with_changes 更新日: event_note 公開日:

labelDIY修理 labelPC

2022年 2月25日 発売 

ThinkPad E15 Gen 2 Windows 10 Pro・AMD Ryzen 5 PRO 4650U・8GBメモリー・256GB SSD・15.6型フルHD液晶搭載 20T8S0N900




よくある故障:電源が入らない 

 原因:ハンダ不良でQB6のMOSFETが外れる。



32GB メモリが有効

仕様は最大16GBのメモリボードなのだが、32GBを入れた動画がある。この動画の基準機はオンボードメモリがない模様。
Intel modelにはオンボードメモリがなく、AMD modelにはオンボードメモリがあるみたいだ。



Black Screenからの復旧 (Biosが立ち上がらない)CMOSリセット


よくみられる事例は、電源は入るが画面が表示されない / 黒い画面のままというもの。 次にあげるCMOSクリアで直ることがあるらしい。

BIOS をリセットするあらゆるノートパソコンの簡単な方法
  1. バッテリーケーブルを取り外す
  2. cmos (BIOS)バッテリーケーブルを取り外す
  3. マザボ側の cmos 端子を5分間ショートさせる
  4. cmos (BIOS)バッテリーケーブルをつなぐ
  5. バッテリーケーブルをつなぐ
  6. 元の状態に戻し、電源スイッチをONする
  7. 1,2分待つと「Lenovo」ロゴが起動したのち、cmos のチェックがエラーとなる
  8. 自動的に、"Restart the Systen" するために再起動する
  9. 再起動後、"BIOS setup and time" のため、「F1」キーを押す
  10. BIOS画面が立ち上がるので、日付と時間を設定する
  11. 「F10」キー押下で、BIOSを保存して起動する

 

購入品

オークションで購入。税込 ¥14,520、Ryzen 5 pro 4650U、 オンボートメモリ 8GB + スロット4GB、 ストレージなし、BIOS確認のみの仕様。



メルカリで使用時間1時間の1TB SSDを運良く安価に入手できた。

メモリはスペックオーバでの動作実績のあるCrucial 32GBを購入した。



写真はスロット4GBのときのものだが、オンボード8GB + スロット32GB = 40GB に変更した。 最初の 8GB + 8GB はデュアルチャンネルで動くと思う。

BIOS画面でメモリ40GBが確認できる。


PDとケーブルも購入。


総費用をまとめると、
PC                 ¥14,200 (送料 ¥1,520)
SDD                ¥6,700
メモリ              ¥9,780
PD, Cable         ¥2,916
-------------------------------------------
合計               ¥35,116

WiFiが使えないマイナトラブル

Windows11をインストールしたが、WiFi と Bluetooth が使えない状況だった。デバイスマネージャでみると、異常判断されている。原因はWiFiカードのドライバだったが、それが分かるまで、ジャンクな品ゆえハード原因を疑い何度も分解と組み立てを繰り返した。

WiFiカードにはメーカーや品番の記載はなく、Lenovo の FRU 番号 5W10V25823 が読み取れる。USBからインストールした素のWindows11にはLenovoドライバが入っているはずはなく、WiFiが未接続の段階でLenovoのドライバーをインストールすることができない。つまり、”たまごが先か、鶏が先か”状態になった次第だ。有線LANでネットに繋げないと、身動きが取れない。

Lenovo製?LANカード

LANケーブルをLANポートに繋げれば良いのだが、入手したThinkPadのLANポートが何か変で、コネクタを刺すことができない。

コネクタの刺し方がわからない。端子同士が接するようにコネクタを逆さまにして固定するとLANがつながるが、それにはコネクタを手で押さえておかねばならない。Lenovoで探して見つかった情報は下記だが、「下からずっと支えろ」とは読めない。



後になって判明したのだが、通常はLANポートをガイドするカバーがある(写真上)が、入手したものはそれがない代物(写真下)だった。


正常品

購入品

結局はLenovoサイトから不足するドライバを探してインストールするまで、ひたすら手でコネクタを支えた。

購入品 2台目

従来から、2台のレッツノートを使っていた。色々な途用と電子工作用の2台だ。1kgfに満たないので、使うときに手軽に取り出せるのが気に入っていた。

問題は、メモリ8GBのせいなのかわからないがファンがフル回転して耳につくのと、老眼が進行して12インチ125%で表示させている文字が小さくて見えなくなってきたことだ。

そこで、電子工作用に14インチか、15インチのThinkPadを探していたところ、1台目とほぼ同じスペックのThinkPad E15 (AMD)を比較的安く落札できた。残念なのは終了3分前に3000円も値が吊り上がったことだ。

仕様は下記。メモリ16GB、SSD256GB、FHD(1920 x 1080)と欲しかった仕様の下限値でほぼ満足。バッテリーか、その充電回路に問題がありそう。


追加で購入したのは、65WのPD。1,280円と安価に入手。約5cm角と大きいが、携帯しないので問題なし。ケーブルが1mと短め。
メモリとSSDはそのまま使えたので、費用は、
PC                 ¥15,501 (送料 ¥1,200)
PD, Cable         ¥1,280
-------------------------------------------
合計               ¥16,781

液晶がTN液晶だった

1台目はIPS液晶で視野角が広く、色も鮮やかだ。これを思っていたら、今回のモノはTN液晶だった。パネルを傾けたら色映りがおかしくなって、故障かと思った。

BiosのDianogticsで調べたモニター品番 N156HGA-EA3  のデータシートにTNの記載を見つけた。Amazonや他の販売サイトでは、当品番と同時にIPSを記載しているケースもある。データシートで確認するまで、IPSであって欲しい気持ちもあってTNでないことを期待してしまった。

TN液晶は画面の濃淡が低いうえに、ギラギラした感じがある。このギラギラ感が目の中で残っているような感覚である。


蓋を開けてみて

商品説明どおり、ACアダプタを繋がなければ起動しなかった。ACアダプタを繋いでの起動は問題なくWindows 11が立ち上がった。そして、蓋を開けてびっくり。

バッテリ起動ができない原因は、コネクタが刺さっていないことだった。バッテリ電圧は11V あって、壊れていないと思われる。もっとも、充電できるかどうかが心配だったが、それも問題なかった。



トラブル発生

ちょっと触ったところ、次の問題が起きた。
  1. 正常に映っていたエクスプローラが突然点滅し始める。
  2. 文字を入力すると右端から文字が消えていく。(アプリとは無関係で、文字を入れるべきところ全てに該当する模様)
1.は初めての経験。2.は云わば "Back space" key で文字を消す感じ。

対策を試みた内容は下記だが、全て効果なし。

  • Keyboard driver, Graphic driver の削除/ 再インストール
  • Windows アップデートの適用
  • Windows 11 再インストール
  • Windows 10 初期化 インストール
  • Ubuntu Live USB での起動 (Nautilusの点滅は起きず。文字消えは発生)

以上より、ソフトウエア原因ではなさそう。裏ブタを開け中身を弄ってみるが、全て効果なし。

  • Lenovo Dianogtics : All Passed
  • メモリ取り外し、端子清掃
  • Keyboard ケーブル、LCD ケーブルの抜き差しと端子清掃
  • CPU グリスアップ

原因はキーボード

何をやっても全く効果なしでお手上げ状態。手がかりは、冒頭に示した”文字を入力すると右端から文字が消えていく。云わば "Back space" key で文字を消す感じ。” という現象。

試しに、エクスプローラを開いて、Back space Key を押しっぱなしにすると、1.の現象が再現できた。テンキー上部にあるBack space Key が悪さしているようだ。

Web記事や動画を参考に、key top をこじ開け、エアブロー、パーツクリーナ、無水アルコール、接点復活材を使って掃除してみた。それぞれの過程でキー連打を嫌と言うほど繰り返した。

keyboard の構造を観察すると、シリコンゴムで内部の接点は外部から保護されているようで、前述の液体やエアが内部の接点に作用したかどうかは疑問である。

そして、とりあえずは直った模様。web上の情報では数週間後に再発することもあるようだ。


引用元:全メーカー共通リペア キーボード ラバードームを部分的に修理する

参考:Keyboard を交換するとしたら

ThinkPad E15 gen2 のキーボード交換はメチャクチャ大変そう。基板を含めて全バラシしなければ Keyboard にたどりつけない上に、 Keyboard は金属の固定板に何十ヶ所もの熱溶着(カシメ)で固定されており、それをつぶさに外していく模様。


Aliexpressでは4000円程度で売ってるが、残念なことに日本語キーボードは見つからなかった。


楽天で安く売っているのを見つけた。いつまで在庫が続くのだろうか。
ヤフオクでも売ってたが、6000円ほどする。

参考:IPS液晶に交換するとしたら

IPS液晶を買おうとすると、Aliexpress でもとても高い。(lenovoサイトで調べたサービス部品番号 5D10W46482)



互換製品なら、7000円台から購入できる。
仕様によると、以下の液晶パネルを選ぶことができる。
ThinkPad E15 Gen2
Display
SizeResolutionTouchTypeBrightnessSurfaceAspect RatioContrast RatioColor GamutViewing Angle (L/R/U/D)
15.6"FHD (1920x1080)NoneTN220 nitsAnti-glare16:9500:145% NTSC45°/45°/-/-
15.6"FHD (1920x1080)NoneIPS250 nitsAnti-glare16:9800:145% NTSC85°/85°/-/-
15.6"FHD (1920x1080)NoneIPS300 nitsAnti-glare16:9800:145% NTSC85°/85°/-/-
15.6"FHD (1920x1080)NoneIPS300 nitsAnti-glare16:91200:1100% sRGB85°/85°/-/-
15.6"FHD (1920x1080)Multi-touchIPS300 nitsAnti-glare16:9800:145% NTSC85°/85°/-/-

液晶パネル 品番、スペック検索サイト

$250 cd/m^2, 800:1, 262k, 46\% NTSC, 60Hz, eDP$


Aliexplessで入手できる同等品は NV156FHM-N48 で、High spec品は NV156FHM-N6A である。

NV156FHM-N48


NV156FHM-N6A


Lenovoサイト:品番検索





同じPCで液晶の見栄えが違うと気になる。特にTN液晶画面は全体が反射しているように感じ、ギラつきが気になる。IPS 液晶交換に手を出すのが時間の問題かもしれない。いや、正確にはおカネの問題だ。

液晶パネル交換の方法

一工程ずつ丁寧なのがこの動画。



短時間でわかりやすいのがこの動画。



この動画は元のパネルがTN。新パネルは高輝度、ハイコントラスト品だ。9'27'' あたりで新しいパネルの品番(LP156wff)を紹介している。

液晶パネルを交換

液晶パネルの選定

ネットで探したTinkPad E15 gen2 のパネル交換情報をまとめると、互換性があるのは次の品番になる。
モデル名装着されていたLCD部品型番交換実績のあるLCD部品型番
ThinkPad E15 20RE-S01T00N156HCA-EAB Rev.C2B156HAN02.1
ThinkPad E15 G2NV156FHM-N48 V8.2N156HGA-EA3 Rev.C3
ThinkPad E15 G2 20TD-S00Q00NV156FHM-N6A V8.0NT156FHM-N51 V8.0
ThinkPad E15 Gen 2,3,4N156HCA-EN1NV156FHM-N6A
ThinkPad E15 Gen,3,4NV156FHM-N4S

それぞれの仕様は下記だ。B156HAN02.1は1台目E15の液晶で6-bit 26万色 になる。
N156HCA-EN1は、8bit 1670万色フルカラー、NV156FHM-N6Aは6-bit + FRC 1620万色疑似フルカラーである。
参考であるが最下行に、今まで使っていたレッツノート cf-sz6 のデータを載せた。これが自分にとっての基準になる。1台目のE15の液晶がちょっとcf-sz6と違うかなぁと感じていたが、表示可能な色の数が異なっていたことがその理由だというのがわかる。

やはり
N156HCA-EN1かNV156FHM-N6Aのフルカラーを選びたい。

ModelBrandSizeResolutionTouchTypeBrightness(nits)SurfaceAspect RatioContrast RatioNTSC RatiosRGB CoverageViewing Angle (L/R/U/D)Gray MethodDisplay ColorResponse timeprice
B156HAN02.1 HW0AAUO15.6"1920×1080NoAHVA250Matte16:9800:1 (Typ.)46%65%85/85/85/856-bit262K25 ms
N156HCA-EA1Innolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:9700:1 (Typ.)72%95%89/89/89/896-bit262K14/11 ms¥10,500
N156HCA-EA3Innolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:91000:1 (Typ.)71%100%89/89/89/898-bit16.7M11/9 ms¥10,500
N156HCA-EACInnolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:91000:1 (Typ.)47%66%89/89/89/898-bit16.7M11/9 ms
LP156WFF-SPF1LG Display15.6"1920×1080NoIPS, Normally Black300Matte16:91200:1 (Typ.)73%98%89/89/89/898-bit16.7M30 ms¥13,086
N156HCA-EN1Innolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:91200:1 (Typ.)71%100%89/89/89/898-bit16.7M11/9 ms¥11,480
N156HCE-EN1Innolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:9700:1 (Typ.)73%92%89/89/89/898-bit16.7M14/11 ms¥11,480
N156HCE-EN2Innolux15.6"1920×1080NoAAS300Matte16:91000:1 (Typ.)96%100%89/89/89/898-bit16.7M14/11 ms¥11,480
NV156FHM-N48BOE15.6"1920×1080NoADS250Matte16:9800:1 (Typ.)47%64%85/85/85/856-bit + FRC16.2M30 ms
NV156FHM-N61BOE15.6"1920×1080NoHADS300Matte16:9800:1 (Typ.)71%91%85/85/85/856-bit + FRC16.2M30 ms
NV156FHM-N6ABOE15.6"1920×1080NoHADS300Matte16:91200:1 (Typ.)73%99%85/85/85/856-bit + FRC16.2M25 ms¥7,812
NV156FHM-N6915.6"1920×1080NoHADS300Matte16:91200:1 (Typ.)74%98%85/85/85/856-bit + FRC16.2M25 ms 
cf-sz6
CLAA121FP01 XN
CPT12.1"1280×800NoHFFS300Glossy16:10800:1 (Typ.)50%70%89/89/89/896-bit + Hi FRC16.7M35 ms

実際に交換してみて

N156HCA-EN1がヤフオクで送料込み、税込みで ¥10,480 であった。国内発送なので落札の3日後には入手できた。


交換は2段階に分けて行った。
  • 1段階目:1台目の上半身(液晶パネルが入った上カバー)ごと2代目に移植。2台目E15の液晶はB156HAN02.1(26万色)になる。
  • 2段階目:2台目の上半身の液晶パネルをN156HCA-EN1に交換して、1台目E15に移植(1677万色)する。
1台目はメモリ40GB、SSD 1TBなので、常用するメイン機にするため液晶パネルもおごった次第。

交換作業は動画どおりにやれば、取り立ててむつかしいことはない。ただ、作業に没頭しすぎて、写真を撮るゆとりはなかった。

注意すべきは、バッテリーが有効のまま30ピンのLCDコネクタを外すと、マザーボードにあるLCD電源ラインのヒューズが飛ぶらしい。そこで、慎重を期して、BIOSでのバッテリーカットをした上に実際のコネクタも外した。

ベゼルは周囲4辺とも両面テープで液晶に張り付けてある。これは動画では表われていなかった。途中で気づいたので代替の細い両面テープを用意しておらず、細心の注意を払いながらベゼルをはがし、両面テープは再利用することにした。

交換する液晶パネル N156HCA-EN1は元のB156HAN02.1に比べて厚さが0.6mm薄い。両面テープなしだとベゼルと液晶面にその分のスキマができ、チリやごみが溜まる恐れがある。

液晶パネルは引っ張って剥がすタイプの両面テープで上カバーに張り付けて固定している。うまく引っ張るときれいに剥がせて再利用ができる。引き剝がしに失敗するとちぎれたり、団子状になってしまい再利用できない。


引用元:パソコンお直し隊:Lenovo ThinkPad E15 Gen2 液晶パネル交換修理

これはスマホやタブレットのバッテリーを固定する両面テープと同じものだと思っていたが、実際は厚さが 0.6~0.7mm ある厚手のものだった。最初の一つ目は引き剥がしに失敗したので、ダイソーに売っていた同様のもので代用した。

液晶交換の効果

N156HCA-EN1(右画像)の画質はB156HAN02.1(左画像)と並べてみるとよくわかる。青の花びら背景で比較すると、色に深みを増した印象である。濃淡がはっきりして、透明感が向上している。



1万円の出費であるが、視覚的な効果や心理的安定を考えると大正解だと思う。

Powered by Blogger | Designed by QooQ

keyboard_double_arrow_down

keyboard_double_arrow_down