RAID 0 SSDのクローンをUbuntuで作る

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SSD同士のクローン作成:Ubuntu ddコマンドで簡単クローン
目次
  1. 概要:SSD同士のクローン
    1. ディスク名の確認
    2. ddコマンドでクローン化
    3. 注意点
  2. 手順: RAID 0アレイからNVMe SSDへのクローン作成
    1. 1. 必要な準備
    2. 2. RAID 0アレイをUbuntuに認識させる
      1. RAIDデバイスの検出
      2. RAIDボリュームが正しいか確認
      3. デバイスの詳細確認
    3. 3. クローン作成の準備
      1. NVMe SSDの確認
      2. パーティション編集ツールの起動(必要に応じて)
    4. 4. クローンの実行
      1. ddコマンドを使用したクローン作成
      2. 進行状況の確認
    5. 5. クローン後の確認
    6. 6. 起動設定
  3. 関連リンク

概要:SSD同士のクローン

SSDクローン作成

HDやSSDのクローン作成にはEaseUS Todo Backupなどのツールを使うと簡単にできます。しかし、これらのクローン作成ツールは使いづらくなっています。その理由は、

  • 最近のEaseUS Todo Backupなどは有料版でなければクローンを作成できなくなった。
  • 古いバージョンなら無料で可能だが、マルウェアウイルスに感染している可能性がある。

そこで、クローン作成にはUbuntuのddコマンドを使うことを推奨します。ddコマンドを使えば、一発でクローンを作成できます。ただし、GUIではなく慣れないコマンドラインの操作なので、使い方(クローン元とクローン先など)を間違えるとデータが消滅するリスクがあります。そうならないためには、ddコマンドを実行する前にディスク名を確実に把握する必要があります。

ここでは、内蔵SATA SSD(256GB)からNVMe SSD(512GB)にクローンを作成することを考えます。

  • クローン元 SSD:SATA 256GB(/dev/sda
  • クローン先 SSD:NVMe 512GB(/dev/nvme0n1
  • ブート用 USB:Clover(/dev/sdb

ディスク名の確認

最初に、Ubuntuで接続されているディスクとパーティションを確認します。これには、Gpartedpartedコマンドを使います。

(1) parted コマンドで確認する場合

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

sudo parted -l
Bash

出力例:


Model: ATA Samsung SSD 860 (scsi)
Disk /dev/sda: 256GB
  Sector size (logical/physical): 512B/512B
  Partition Table: gpt
  Disk Flags: 

Number Start End Size File system Name Flags
 1 1049kB 256GB 256GB ntfs data boot

Model: Samsung SSD 970 EVO Plus 500GB (nvme)
Disk /dev/nvme0n1: 512GB
  Sector size (logical/physical): 512B/512B
  Partition Table: gpt
  Disk Flags: 

Number Start End Size File system Name Flags
 1 1049kB 512GB 512GB ntfs data
  • /dev/sdaが256GBのSATA SSD
  • /dev/nvme0n1が512GBのNVMe SSD
  • /dev/sdbがブート用USB(Clover)

おさえておくべき点:

  • ディスク名(/dev/sda/dev/nvme0n1
  • 各パーティションのサイズとファイルシステム

(2) Gparted で確認する場合

GUIを使用する場合、Gpartedを起動して、ディスクのパーティション構成を視覚的に確認します。

sudo gparted
Bash

ddコマンドでクローン化

クローン元とクローン先のディスク名が分かったら、次に、ddコマンドを使用して、元のSATA SSDからNVMe SSDへクローンを作成します。

sudo dd if=/dev/sda of=/dev/nvme0n1 bs=64K status=progress
Bash
  • if=/dev/sda:入力ファイル(SATA SSD)
  • of=/dev/nvme0n1:出力ファイル(NVMe SSD)
  • bs=64K:ブロックサイズ
  • status=progress:進行状況を表示

クローンが終了したら、Clover ブート用 USBを使ってNVMe SSDのWindowsを起動し、SATA SSDの内容を正確にコピーできたことを確認します。

注意点

  • クローン先(/dev/nvme0n1)のデータは完全に上書きされるため、重要なデータがないことを確認してください。
  • /dev/sda/dev/nvme0n1を誤って指定すると、システムが壊れる可能性があるため、事前に確認してください。
  • クローン先/dev/nvme0n1の容量がクローン元/dev/sdaよりも小さい場合、データが壊れる可能性があります。
  • この場合は、Gpartedを使って事前にクローン元の容量を小さくしておいてください。
  • クローン作成後、UUIDが重複するため、Ubuntuを再起動する前にUUIDを変更するか、片方のディスクを取り外してください。

追加のオプション
クローンの速度を上げるために、conv=fsync を追加することも可能です。

sudo dd if=/dev/sda of=/dev/nvme0n1 bs=4M status=progress conv=fsync
Bash

手順: RAID 0アレイからNVMe SSDへのクローン作成

複数のHDDやSSDでRAIDを構成している場合には、上記の方法に比べてデバイス名の確認(獲得)にひと手間かかります。

Ubuntuを使ってRAID 0アレイSSDをNVMe SSDにクローンする方法を以下に整理します。この方法では、RAIDアレイのデータを壊さないように注意しながら、Ubuntuのライブ環境を活用します。


1. 必要な準備

  • ライブUSBの作成
    UbuntuのライブUSBを作成します。永続化機能がなくても問題ありませんが、後述するツールが再起動後に消えるため、その点に注意が必要です。

  • ツールの確認
    必要なツール(dmraidまたはmdadmgparteddd)がUbuntuにインストールされていることを確認します。ライブ環境でインストールできます。

    sudo apt update
    sudo apt install dmraid mdadm gparted
    Bash

2. RAID 0アレイをUbuntuに認識させる

  1. RAIDデバイスの検出

    RAIDアレイがBIOS/UEFIで有効になっている場合、dmraidまたはmdadmでRAIDデバイスを認識させます。

    • RAIDアレイを有効化するコマンド(Intel RSTの場合):
      sudo mdadm --assemble --scan
      sudo dmraid -ay
      Bash

    結果例:

    
    RAID set "isw_eabjciihig_Volume0" already active
    
    • RAIDデバイスを確認:
      ls /dev/mapper/
      Bash
    
    control isw_eabjciihig_Volume0
    
  2. RAIDボリュームが正しいか確認

    ボリューム名がRAID 0アレイであることを確認します。

  3. デバイスの詳細確認

    RAIDボリュームが正しく表示されているか確認します。

    sudo fdisk -l
    Bash

3. クローン作成の準備

  1. NVMe SSDの確認

    新しいNVMe SSDが正しく接続され、認識されていることを確認します。

    lsblk -a
    Bash

    結果例:

    
    NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
    省略
    sda 8:0 0 111.8G 0 disk 
    └─isw_eabjciihig_Volume0
      253:0 0 212.4G 0 dmraid 
    sdb 8:16 0 111.8G 0 disk 
    ├─sdb1 8:17 0 111.8G 0 part 
    └─isw_eabjciihig_Volume0
      253:0 0 212.4G 0 dmraid 
    sdc 8:32 0 1.8T 0 disk 
    └─sdc1 8:33 0 1.8T 0 part /media/ubuntu/ボリューム
    sdd 8:48 1 14.4G 0 disk 
    └─sdd1 8:49 1 14.4G 0 part /cdrom
    sr0 11:0 1 1024M 0 rom 
    nvme0n1 259:0 0 238.5G 0 disk 
    ├─nvme0n1p1 259:5 0 528M 0 part 
    ├─nvme0n1p2 259:6 0 99M 0 part 
    ├─nvme0n1p3 259:7 0 16M 0 part 
    └─nvme0n1p4 259:8 0 237.8G 0 part
    
  2. パーティション編集ツールの起動(必要に応じて)

    新しいNVMe SSDにパーティションを作成したり、RAIDアレイに合わせた容量を調整します。

    sudo gparted
    Bash

4. クローンの実行

  1. ddコマンドを使用したクローン作成

    クローン作成にはddコマンドを使用します。このコマンドはデータをそのままコピーするため、慎重にデバイス名を指定してください。

    sudo dd if=/dev/mapper/isw_eabjciihig_Volume0 of=/dev/nvme0n1 bs=64K conv=sync,noerror
    Bash
    • if=: コピー元(RAID 0アレイ)
    • of=: コピー先(NVMe SSD)
    • bs=64K: 一度にコピーするブロックサイズ(高速化のため)
    • conv=sync,noerror: エラーが発生してもスキップして継続
  2. 進行状況の確認

    ddコマンドでは進行状況が表示されないため、別途pvをインストールして確認する方法もあります。


5. クローン後の確認

  1. NVMe SSDの内容を確認
    クローンが正しく作成されているか確認します。

    sudo fdisk -l /dev/nvme0n1
    Bash
  2. ファイルシステムの修復(必要に応じて)
    クローン後にファイルシステムの整合性を確認し、修復します。

    sudo fsck /dev/nvme0n1
    Bash

6. 起動設定

  1. Cloverブートローダーの使用
    RAIDからクローンしたシステムをNVMe SSDで起動するため、CloverブートローダーをUSBまたはRAID 0デバイス上にセットアップします。

  2. BIOS/UEFI設定の確認
    BIOS/UEFIでNVMe SSDを起動デバイスとして指定します。


関連リンク

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