Amazonで購入したUSB電源で動くFANは、定格電圧で回すとモーター音だか風切り音だかうるさいので、静かにするために温度で回転数を制御するFANコントローラを作ろうと思います。
正攻法は3端子レギュレータとかPWMで電圧を作るのでしょうが、そこまではちょっとと思いWebを探していると、もっと簡単にできる方法を見つけました。
この回路を利用させていただくことにします。サーミスタの抵抗が温度変化したときの解析をLTspiceで行い、この制御回路のパラメータを探ります。
サーミスタの特性と出力の線形化
FANコントローラの特性を検討する前に、まず、サーミスタの特性を明らかにしておきます。このことについては、次の記事に説明がありました。
サーミスタ抵抗の温度特性はこの引用で説明されているように強い非線形性があり、指数関数として数値化できます。このとき、サーミスタに直列に他の抵抗を接続して抵抗分圧することで,サーミスタを介した電圧変化を簡易的に直線化することができます。直列に接続する抵抗の考え方についても上記に説明がありました。
抵抗を直列に入れても抵抗値の非線形性はほとんど変わりません。ところが、抵抗分圧比は比較的リニアな特性が得られています。直列抵抗Rsを大きくすると温度に対する変化が緩慢になります。つまり、FAN回転数の増加を温度変化に対してなだらかにする場合は、直列抵抗Rsを大きくすればよいわけです。
FANコントローラの特性
次の回路でシミュレーションしてみます。モーターは、実測した25Ωの抵抗R5と4mHのインダクタンスL1で表しています。静的な解析なのでL1はなくても良かったです。6V電源を使ったときに、高温時にはできるだけ5V近い電圧がモータに働くようにパラメータを選んでいます。
直列抵抗Rsは2kΩとして、可変抵抗Rvは1.4kから0.2kずつ増やして計算します。
これで作ります。
仮組して特性測定
ブレッドボードに仮組して、特性を測ってみました。サーミスターはハンダごて台に磁石で貼り付けました。その関係で60℃までしか温度をあげることができませんでした。温度は非接触式の温度計を手持ちしての読み値ですので精度はよくないです。FAN回転はLEDで検出しています。温度がどんどん変化するので、目視読みの各測定値の精度はよくないです。
測定した項目はFAN回転数 V(rot)、モータ電位 V(N001,N003)、サーミスタ制御電圧 V(th)です。
計算とピタリとまではいきませんが、約50℃でFANが回転を始めることと、温度の増減でFANの回転数が変化する基本的な動作は確認できました。回り始めはモーター電圧が3V程度必要なようです。