AKO エイリアス (A Kind Of) の使い方をまとめておきます。AKOを使うと、同系列のコンポーネント(例、NPN、PNP、JFT、MOS、ダイオードなど)ならば、 .step コマンドで切り換えてシミュレーションできます。その結果、同じグラフ上に並べて表示することができ、特性の比較が容易になります。
ただし、先に挙げたNative Spice Model にしか適用できません。つまり、サブサーキットモデルには使えません。
図1 AKOでモデルを変更 |
本件の引用元は次になります。
A: モデル内でパラメーターを変更
モデルを定義しているパラメータの一部を変更して回路を評価できます。
.model MyBZX84C8V2L ako:BZX84C8V2L bv=Mybv
.step param Mybv list 6 8 10
- MyBZX84C8V2L (ツェナー ダイオード) という名前のエイリアス コンポーネントを置きます。
- ako: 以下のステートメントは、ライブラリ コンポーネント BZX84C8V2Lから、パラメーター bv (ブレークダウン電圧) が bv=Mybv に変更されたものと定義します。
- .step コマンドを使用して bv の値を所望の値に変更して、シミュレーションします。
- ステッピングが必要ない場合は、たとえば bv=6 V で固定値に設定します。
B: 異なるモデルでステップ実行
異なるコンポーネントのトランジスタ (2N2222、2N3904、BC817-40 など) について、それらを逐次変更しながら回路を比較評価できます。
.model 2222 ako:2N2222
.model 3904 ako:2N3904
.model 81740 ako:BC817 -40
.step param MyNPN list 2222 3904 81740
- 書式フォーマットは、
です。
- 定義されているモデル名を "ako:" で数字文字列で表したモデル名に置き換えます。
- .step コマンドの機能を使って、modelを順次変更して、シミュレーションします。
AKOを使ったシミュレーションの結果を示します。最初に示した図1の回路でのシミュレーションです。
A:のケースでは違いが出ませんでした。色違いはB:のケースでのmodelの変更を表しています。
C: サブサーキットモデルで比較するには
サブサーキットモデルで同様の効果(同じグラフに並べて表示)を得るには、下記の図のように同じ回路をコピーして、比較したいコンポーネントを入れ替えるとできます。