完成したデサルフェーターを復活目的のバッテリーで動かしてみます。
- バッテリー単体にデサルフェーターをつけて動作確認
- 満充電を行いながら、動作チェック
- 車載して初期動作チェック
を行いました。
写真は車載状態でバッテリーマイナス側の配線にクランプメータをかまして電流を測定している所です。青LED点灯の動作中に、DCで99mA流れていました。そして、停止中は36mAでした。なお、ACでは測定できません(ゼロ表示)でした。
事前確認と充電開始
ドレイン電圧 35.9V、バッテリー電圧 7.9V、周波数 25.8kHz でした。前報の異なるバッテリーの結果と比べると、ドレイン電圧、バッテリ電圧ともに小さくなっています。周波数は変わらずという結果です。内部抵抗は 37mΩと前報の測定条件よりも随分小さいので、この影響でしょうか。
次に示す波形は充電中のものです。最も異なるのは、リギングの周波数で 7.7MHz とほぼ倍になっています。
この後見えてきたのですが、充填中はリギングの周波数は大きくなり、収束も遅れるようです。
経過1:1.5時間後
バッテリーの取説によると、12.1V は40% 程度の充電状態になり、8時間の充電時間ですます。所定の充電電流は4Aなのですが、その半分で1.5Hrほど充電して様子をみてみました。
中断直後の内部抵抗は 74mΩ と倍増しています。バッテリーに熱を持っている状態でしたので、この影響かなぁと思います。
充電開始時と1.5Hr後の充電中の波形を比較すると、ドレイン電圧 35.9V → 39.8V、バッテリー電圧 7.9V → 9.3V へ増加しています。写真はありませんが、電圧は13.9Vでした。
このとき波形を目視した限りでは、ONパルス時間は同じです。ドレイン電圧やバッテリ電圧の増加の原因は充電によるバッテリー電圧の上昇によるものか、充電直後なのでバッテリーの活性化の影響かと思います。
経過2:充電再開
半日置いたあとのバッテリ電圧と内部抵抗です。充電する前に比べ、バッテリー電圧はわずか増加し、内部抵抗は27mΩと元の70%ほどにまで減少(改善)しています。
半日おいたあとに、充電を再開させたときの充電時の波形を示します。ドレイン電圧やバッテリ電圧は充電前の値に戻っています。
満充電
4Aで8Hrの充電を行った後に、30分放置して電圧を測定しました。12.83Vに増加しています。
やはり、充電中はリギングの波(電圧p-p)が大きくなり、収束しにくい(波が続く)ようです。
8Hrの満充電後のバッテリー電圧と内部抵抗です。バッテリー電圧の増加は見られますが、新品レベルの13Vにはなりません。また、内部抵抗は25mΩと1.5Hr充電後の値とほぼ同じです。(元の70%ほどにまで改善しています。)
車載と不具合修正
前述したデサルフェーターの動作は、前報で設定/測定した動作電圧(増圧開始:12.7V、減圧停止:12.2V)で問題なく動いていたのですが、車載して1日経つと、エンジンOFFしてもデサルフェーターが停止しなくなりました。エンジンはトータルで30分も動かしていないのですが、エンジンを停止してもバッテリー電圧が12.2V以下まで下がらなくなったことが原因と思われます。デサルフェーターの効果が出て、バッテリの保持電圧が上がったんだと思います。
あらためて測定するとバッテリー電圧はエンジンONのとき 14.2V、エンジンOFF後3分後で 12.3Vでした。さらに、経過して5分程度で12.2Vを下回りました。この間はデサルフェーターが働いているのですが、それよりもバッテリーの電力を消費することが気になるので、設定電圧を対策します。
現状ではツェーナー電圧12Vに対して、1N4148で0.4Vの下駄をはかせていますが、1N4148 をさらに2個追加します。これにより、下図に示すように13.5Vで作動し、13.0Vで停止する特性になりました。エンジンOFF後、1分以内にはデサルフェーターが停止するようになりました。
まとめ
ごく時間での結果に過ぎませんが、バッテリーの特性に改善が見られます。デサルフェーションの効果ではなく充電の影響かも知れません。波形をみるとデサルフェーションの効果と言いたくなるきれいなリギング波形が出ています。
数か月後にチェックしてみたいと思います。