電子工作用にトラッキング電源を作ろうと思います。正負の電圧を同期して同時に変えられる正負電源をトラッキング電源というらしいです。便利に使えそうです。
例によって、ネットに挙がっている事例の動作をLTspiceを使って理解してみることにします。
トラッキング電源の事例
内容説明はできないので、引用ブログへのリンクを貼るだけです。
事例1. 正の3端子レギュレータとトランジスタ
負荷に8Ωの抵抗をつなぎ、レギュレータの最大電流1.5Aを流す条件で、横軸に正電圧V(pos)を取って、負電圧、負電圧/正電圧、正側電流と負側電流をLTspiceでDC解析した結果です。
電圧が低いときは負電圧は小さめに出るようです。3~5Vでは正負電圧はほぼ同じですが、高いときにも負電圧が小さくなるようです。
事例2. 正負3端子レギュレータとオペアンプ
最もオーソドックスな回路構成だと思います。オペアンプのイマジナリーショートを利用して、GND電圧と正負電圧の中点を比較しています。
事例1.に比べ、負電圧が小さめになる様子は見られません。ほぼ同じ大きさの電圧が正負で得られます。
事例3. 正負OPアンプのフィードバックループに3端子レギュレータが入っている
1.5Aを流す条件だと7Vを超える(-7Vを下回る)とおかしな計算結果になったので、1/10の150mAを流す条件で計算しています。2V以上で同じ大きさの電圧が正負で得られます。
事例4. 正側オペアンプ制御信号を負側オペアンプでー1倍に反転
LTspice のDC解析ではおかしな結果になったので、Transient解析を繰り返して、.measコマンドを使って横軸を正電圧にしたグラフを作りました。オペアンプQ1の非反転端子へ加えるRef電圧に比例して正負電圧が発生しています。電圧が低いほど負電圧が小さく出る傾向は同じですが、前例に比べその割合は極わずかです。(縦軸のゲインを10倍で表示)
まとめ
基本的な部品構成が一番簡素なのが、事例3. なので、これを作ってみようと思います。正負にそれぞれDC電源が必要なので、トランスを使うか、ACアダプタを2つ使うか迷うところです。トラッキング電源用の電源が大がかりになりそうです。いずれにしろ、トラッキング電圧と電流の仕様をはっきりさせる必要があります。