AD9833でファンクションジェネレータを作る9 両電源

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9 オペアンプの電源

 AD9388の出力をゲイン調整とオフセット調整するためオペアンプで増幅器を構成することにしました。そこで、オペアンプの電源を考えます。

9.1 負電源

オペアンプは両電源タイプのものを選びますので、EPS32の電源を正電源として、別途負電源を用意するという方法を検討してみます。

電源電圧を分圧して仮想GNDを設ける方法では、GNDの扱いがむつかしいので、仮想GNDを使わないものが欲しいです。そこで、手持ちだったNE555(タイマー)を利用した負電源を作ってみました。


結果は27MHzを1次とする数ボルトのノイズが出て、とても使えませんでした。EPS32とAD9388ジェネレータの共通の電源回路にこのノイズが乗り、EPS32がリセットを繰り返します。C2コンデンサの容量変更とか、回路電源を汎用DC電源(大元の100Vは共通)から9V電池に変更とか、できることをやってみましたが効果なしです。私には手に負えずでした。

スイッチングで電源を作るのは、ノイズ処理の点で経験の浅い私にはハードルが高すぎでした。

9.2 両電源

以前、作ったことのあるオペアンプ利用レールスプリッタ方式の両電源を持ってくることにしました。仮想GNDの扱いがむつかしく、以前は苦労したのですが、うまくいったのもこの方式だったので、また使います。

左のオペアンプがLM358で両電源、右のSOP基板に貼り付けたオペアンプはLT1364でゲイン・オフセット調整用のオペアンプです。LT1364は、GBW: 70MHz 、スルーレート: 1000V/μs と高速なのでこれを選びました。LPFのカットオフを7MHzにしたので、それに見合うことを期待しての選択です。

この両電源でゲイン・オフセット調整用オペアンプを駆動した時のAD9833の出力波形を示します。1Hzから5MHzまでのサイン波です。

LPFとアンプを経た後の信号波形はAD9833の生波形の5倍感度で表示していますが、ノイズが取れて滑らかになっている様子が伺えます。この結果にはとても満足です。


上段の黄色波形:AD9833のOUT出力 100mV/div
下段の水色波形:LPF + アンプでのゲインとオフセット調整後 500mV/div

9.3 電源の課題

開発中の現時点では、ESP32(以下、AD9833、SSD1283Aを含む)はPCのUSB 5Vで動かしており、オペアンプ(両電源、ゲイン・オフセット調整)は実験用DC電源を9V出力で動かしています。

本来なら、これを1系統にしたいのです。苦労しながら色々と方式を試したのですが、どれもうまくいかず、仕方なく電源を分ける方法を取っています。

私の実力では1電源にできないので、完成時にはESP32はUSBかDC電源、オペアンプは9V電池を使って両電源化とする計画です。

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