自作ファンクションジェネレータをオーディオアンプで増幅する作戦は失敗

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labelelement labelLTspice label計測器

抵抗負荷にサイン波の電圧を加えて、その時に流れる電流をハイサイド電流測定回路で検出する試みの第2段目になります。

ファンクションジェネレータの信号を増幅するためにオーディオアンプを使ったら、電流と電圧の増幅を一度にできるうえに、中華製の格安アンプが使えるので好都合だと考えた次第です。

電気の基礎を学んでいなくて見様見まねで電子工作を始めた私には、これが無謀なのか妥当なのかが分かりません。案の定、Google検索しても事例が出てきません。やはり無謀?(-_-;)

結果は、波形のひずみが大きく失敗でした。この原因がオーディオアンプで増幅することにあるのか、中華格安TDA2030の品質にあるのかは究明できていません。

番外:格安のオーディオアンプ

TDA2030

Amazonで格安のアンプモジュールを探すと、これ(TDA2030)が見つかりました。Datasheetは次のようになっています。オリジナルはTIですが、モジュールのICは台湾メーカのようです。


spice model はここで見つかりました。さらに、Amazon扱い品の回路図定数(datasheetと同じでした)も分かったで、シミュレーションしてみます。回路図を見る限りは、オペアンプだと思います。

TDA2030の非反転増幅が $\cfrac{4.7k+150k}{4.7k}\ = \ 33$倍なので、入力部のボリュームで $\cfrac{1}{10}$ にして計算します。

例えば、入力 $\pm 100mV \times \cfrac{1}{10} \times 33 = \pm 330mV$ です。

入力信号として、オフセットゼロで 振幅±0.1V から 0.3V 刻みで±1.0V まで計算してみました。負荷を8Ωと大きくしても、設定どうりの電圧と電流が得られます。V(pted)は入力ボリュームで $\cfrac{1}{10}$ にした値です。




これは仕様以上に十分過ぎるほどの特性なので、購入して試してみることにします。

LM675

こちらも有名なパワーアンプらしいです。TDA2030ともにTO-220パッケージです。



TDA2030と同じ条件でアンプだけLM675に変えてLTspice回路でシミュレーションすると、電源電圧12Vでは最大入力(±1V)の条件でクリープが現れてきます。(波形は未掲載です。)そこで電圧を変えて細かく見ていくと、電源電圧が12.6V以上ではクリープは起きませんでした。TDA2030に比べ、効率が少し良くないのかもしれません。

参考に、TDA2030は12Vでのクリープ発生はないので、電圧下げ方向で調べてみたところ、9.5V以下でクリープが見られました。(波形は未掲載です。)


格安のオーディオアンプ TDA2030 測定波形

シミュレーションの結果に期待し、わくわくでAmazon で271円で購入したTDA2030なのですが、波形を見て使う気がなくなりました。

 



入力±100mV, 1k, 10k, 50k, 100kHzのハイサイド電流波形です。ひずみが大きくて使う気になりません。


さらに、入力を大きくして±500mVにするとひずみはさらにひどくになります。 (1k, 10k, 50k, 100kHzのハイサイド電流波形)

ハイサイド電流検出回路へ入力する前の電圧波形(VoOUTに相当)を載せます。残念ながら、サインは入力が矩形波になっています。

比較参考:エミッターフォロワでの波形

既報で検討したOPアンプ+エミッタフォロワ回路(LM358+2SD1047)で増幅したときの波形を載せておきます。
入力±100mV, 1k, 10k, 50k, 100kHzのハイサイド電流波形です。100kHzでもゲインは下がりますが、サイン波はサイン波で出力されます。

続いて、ハイサイド電流検出回路へ入力する前の電圧波形(VoOUTに相当)です。


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