アナログ変調は、$\bm {A sin(\omega t +\phi)}$で表される連続した正弦波である搬送波の振幅$\bm A$、周波数$\bm \omega$、位相$\bm \phi$という三つのパラメータのいずれかを低周波信号で変化させるものです。一方、デジタル変調は、アナログ変調で変調波形を方形波にした場合と考えることができます。
そして、方形波による変調は、搬送波をスイッチ(key)で切り換えることと同じであることから、デジタル信号で変調する方式は、AM、FM、PMに対応して、ASK(Amplitude shift keying)、FSK(Frequency shift keying)、PSK(Phase shift keying)と呼ばれます。
引用元:オリックス・レンテック 計測器・測定器玉手箱 デジタル変調方式
デジタル変調の3方式
ASK:
ASKとは搬送波に1またはゼロを
掛けることと考えることができます。
ASK 対応するアナログ変調 信号波形 振幅変調:AM
FSK:
FSKは、周波数の異なる二つの
搬送波を切り換えるのと同じです。
FSK 対応するアナログ変調 信号波形 周波数変調:FM
PSK:
PSKは、位相の異なる二つの
搬送波を切り換えるのと同じです。 引用元:オリックス・レンテック 計測器・測定器玉手箱 デジタル変調方式
PSK 対応するアナログ変調 信号波形 位相変調:PM
Function generatorの変調機能

Waveform modulation with your function generator | Keysight Blogs
Make full use of advanced waveform modulation features with your function generator to test your applications
FSK (周波数偏移キーイング) / BPSK (2 位相偏移キーイング)
現在、多くの種類のデジタル変調技術が利用可能です。一般的なものは、FSK (周波数偏移キーイング) と BPSK (2 位相偏移キーイング) です。これらのデジタル変調技術は、デジタル無線送信、RFID、Bluetooth などの多くのアプリケーションで使用されています。
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図5. Keysight 33600Aを使用したFSK関数発生器のセットアップ |
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図6. Keysight 33600Aを使用したBPSKファンクション・ジェネレータのセットアップ |
使い方
[MOD]キーが変調機能のトリガーです。(キーを押すと既に設定された変調が開始されます。)
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事例1:FSK(Frequency shift keying)
- [CH1]キーを押して、CH1に搬送波を設定します。
- [CH2]キーを押して、CH2に「シフト」するレート(周波数)を設定します。
- [MOD]キーを押して、「Modulation Mode」にすると、即座に変調された信号がCH1に出力されます。
- [MODE]キーを押すとモードがシーケンシャルに変わるので、「FSK」を選びます。
- [SOUR]キーを押して、変調信号を選びます。デフォルトのCH2以外に, External (FSK IN Port), Manual のオプションがあります。変調信号で有効なのは「シフト」レートである周波数だけです。【下記、注記*】
- [PARA]キーを押して、「HOP」周波数を有効にしてから、ダイヤルで設定します。
前項の事例と同じ設定を行い、同様の出力波形が得られました。
[CH2]の周波数を変えず、Ramp波でオフセット2.5Vにしたときの出力です。周波数以外の項目が無効なことが確認できました。
事例2:ASK(Amplitude shift keying)
- [CH1]キーを押して、CH1に搬送波を設定します。
- [CH2]キーを押して、CH2に「シフト」するレート(周波数)を設定します。
- [MOD]キーを押して、「Modulation Mode」にすると、即座に変調された信号がCH1に出力されます。
- [MODE]キーを押すとモードがシーケンシャルに変わるので、「ASK」を選びます。
- [SOUR]キーを押して、変調信号を選びます。デフォルトのCH2以外に, External (FSK IN Port), Manual のオプションがあります。変調信号で有効なのは「シフト」レートである周波数だけです。50%デューティの方形波としてON/OFFします。【前述の注記*】
事例3:PSK(Phase shift keying)
- [CH1]キーを押して、CH1に搬送波を設定します。
- [CH2]キーを押して、CH2に「シフト」するレート(周波数)を[FREQ]で設定します。さらに、[PHASE]でシフト位相を設定します。
- [MOD]キーを押して、「Modulation Mode」にすると、即座に変調された信号がCH1に出力されます。
- [MODE]キーを押すとモードがシーケンシャルに変わるので、「PSK」を選びます。
- [SOUR]キーを押して、変調信号を選びます。デフォルトのCH2以外に, External (FSK IN Port), Manual のオプションがあります。変調信号で有効なのは「シフト」レートである周波数だけです。50%デューティの方形波としてON/OFFします。【前述の注記*】