交流電圧計(ミリバル)の製作 製作編

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7.組んだけど、うまくいかない

ブレッドボード上で実装します。

写真の右端から、オペアンプにLM358を使った両電源です。上半分は、緑の1uF無極性電解コンデンサの手前から信号を取り込んで、TL074のボルテージフォロアと増幅回路を経てミリバル回路へ至ります。
ミリバルの手前でWaveSpectraでモニタする信号を分岐させています。無極性10uFの手持ちがなかったので、普通の電解22uFを対にして使いました。
下半分はミリバル用でです。回路図どおりに配線して、DC OUTの手前は半固定抵抗にしてゲインを調整できるようにしています。
注記)写真の回路は最終系で下の回路図とは少し異なります。



この回路では、以下のような問題がありました。

(1) オシロの入力波形が消える

発振器XR2206のGND、オシロのアースを上記回路のGND(両電源の仮想GND)につなぐと、オシロの波形が消える。

(2) ミリバルの[OUT]から出力がない。

オシロで波形を見るのはあきらめ、オシロは使わないようにした。
XR2206の出力は[SIN]に入力。XR2206のGNDは回路のGNDへ接続。
[OUT]から何も出ない。

(3) ボルテージフォロアとミリバルが繋がっていると機能しない。

VF_OUTで分離し、Voltage FollowerとMili Volの単独で確認したところ、単独ではどちらも問題なく出力できているが、つなぐ(TL074のPin #7と2連コンデンサを繋ぐ)と機能しない。

直接MV_INに入れたらミリバル出力する。O2の箇所での電圧波形を確認したら、サイン波の下半分の半波形。この状態で、Pin #7とコンデンサを繋ぐとサイン半波形が消えるし、OUTのDC電圧もなくなる。

両電源の中点グランドにオペアンプLM358を入れた場合と入れない場合に違いなし。

8.暫定処置と、今なら思う

色々とあたっていると、GNDに原因がありそうなことが見えてきました。両電源の仮想GNDと発振器XR2206の電源GND、オシロのGNDが関係ありそうです。両電源の仮想GNDというのは、初めて扱うのでどういうものかひとつ呑み込めていません。

場当たり的ではあるのですが、次のようにしたら一応動く(前段バッファと後段ミリバルが両方出力する)ようになりました。

それまでは、
発振器XR2206のGND、オシロのGND、バッファとミリバル両電源の仮想GNDをまとめてGNDにしていたのですが、

処置
発振器とオシロのGNDは、乾電池のマイナス極で取るようにしたら動きました。
このとき、ミリバルのDC出力はテスターのアースを仮想GNDにしています。もちろん、LM358とTL074の正電源は電池のプラス極、負電源は電池のマイナス極、回路のアースは仮想GNDです。

9.暫定での測定結果

XR2206からサイン波を出力して、周波数特性を取ってみました。

1kHzから下がゲインが上がっているのは、温度特性ではないかと思います。測定は1kHzから始め100kHzまで上げた後に1kHzより下を測定しました。XR2206で周波数の微調整をするのは大変で1kHzから100kHzの測定に15分程度かかったと思います。
<注記>オペアンプ;TL064

SinIN ;xr2206の信号 Vin p-p 3.15 [V]、オシロ表示値
VF OUT ;ボルテージフォロア回路の出口(ミリバル回路の入口)電圧、オシロ表示値
VF OUT(AC V)        ;ミリバル回路の入口でのAC電圧、ACVC921テスターのAC電圧読み値
OUT(DC V) ;ミリバル回路出口でのDC出力電圧、テスター読み値

  • XR2206の出力、ボルテージフォロアの出力はともに10Hzから100kHzまでフラット
  • ACVC921テスターは2kHzが限界
  • TL062オペアンプを使ったミリバルは10kHzまではフラットだが、それ以降ケインが増減する。ただし、-3dBまでOKとみるならば、100kHzの応答性があり、オーディオアンプのf特測定には問題ない。



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