XR2206 ファンクションジェネレータを作ってみた

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labelファンクションジェネレータ label計測器

 こういう風になりました。



1.  12V DCプラグの下流にON/OFFトグルスイッチを設置
2.  周波数選択は5ポジションのロータリスイッチ
3.  RやCを変更して特性改善
4.  サイン波と三角波は2ポジのスライドスイッチで切り替え
5.  3つのボリュームは赤基板の裏から取付(表面には色々なものがあるので、こうする以外に手がなかった。)

・出力はテスターのプローブが入るように赤(サイン、三角波)、青(矩形波)、黒(GND)のテストピンプラグ

・後ろの方に見えるのはセグメントLED5桁表示の周波数カウンター


ケースはダイソーで買った一辺90mmの透明立方体です。ネジを締めると取付穴の淵から亀裂が入るので締めこまないようにしています。

1.電源、スイッチ部

追加したスイッチの前後からDC12Vを取り出して、


・スイッチ手前からの+12Vは外部へ出しておく
 この利用目的はミリバルとかの発振器とセットで使う機器(自作)の電源をイメージ。

スイッチを経由した後の+12Vは、
・元の回路に戻すもの
・周波数カウンタの電源用

一か所パターンをカットしています。

2.周波数レンジの選択

日本製のフィルムコンデンサが信頼性と温度特性の点から良いというので、抵抗R6とコンデンサC4,C5,C6,C7,C8は下表のように変更しました。

なお、周波数の計算はデータシートに、

  f0 =1 /RC [Hz]

と書いてあるのでその数式のまま計算したが、なぜこの式で周波数の単位が rad/s ではなくて、Hz になるのだろうか?

オリジナルコンデンサ、抵抗 変更
155.1k5.1k153.3k3.3k
Min周波数Max周波数Min周波数Max周波数
[Hz][Hz]
C4電解10uF0.64200.6530
C5Ceramic1uF6.45196メタライズドポリエステル
フィルムコンデンサ
1uF6.52303
C6Ceramic47nF(0.047uF)1374,172メタライズドポリエステル
フィルムコンデンサ
47nF1396,447
C7Ceramic2.2nF(0.0022uF)2,93189,127メタライズドポリエステル
フィルムコンデンサ
2.2nF2,965137,741
C8Ceramic100pF(0.0001uF)64,4751,960,784フィルムコンデンサー470pF13,879644,745

各々のコンデンサから出た信号は、5ポジのロータリスイッチを介してコモン(黒線)をTC1に戻しています。

3.特性改良

R1は矩形波の振幅を抑えるためのもので、参照ブログに倣って4.7kに変更しました。
・C9は振幅が絞り切れるようにするためのもので、これも参照ブログに倣って10uFを追加しました。
・R4はサイン波形の歪を調整する抵抗で、デフォルトの330Ωは調子よくないとのこと。特性を測定するとき、トリマ抵抗で微調整しながらWaveSpectraで歪をモニタしたところ、最良値は228Ωでした。トリマ抵抗は大きすぎてつかないので、222Ωの固定抵抗をつけました。
・#15pin(SYMA1)と#16pin(SYMA2)間を分圧し中間点をグランドに落とすと、波形の対称性を調整できるようです。
 
 対称性を測定する方法を調べてみましたが、目視で調整する方法しか探せませんでした。目視で調整した限り、分圧アジャスタ(可変抵抗)の有無で違いを見いだせなかったので、オリジナル通りこの調整はなしにしました。

4.波形選択

オリジナルは#13pin(WAVEA1)と#14pin(WAVEA2)間をジャンパするかしないかで、サイン波と三角波を選んでいます。
ケースにON/OFFスイッチつけてジャンパの代用にしました。

5.ボリューム取付の工夫

ボリュームをおもて面につけているとケースへの取付ができません。単純に表裏を逆にすればボリューム回転と増減の関係がおかしくなります。

各端子の接続を写真のようにして、3つのボリュームとも右に回せば値が大きくなるようにしました。このとき、

周波数の調整は真ん中のFine(50kΩ)と右のCoarse(100kΩ)によるのですが、2つの抵抗値が近いためFineが微調整とはなりません。

そこで、FineボリュームR7の端子間に並列に固定抵抗をつけて、微調整が効くようにしました。固定抵抗値は体感で決めて23kΩにしました。

この端子間抵抗を実測したところ下表の値でした。体感的には、R7ボリューム回転角によって2段階くらいのゲイン調整になりました。シミュレーションでもそんな感じです。

R7 [Ω]R7+R8 [Ω]
左回し切り15.3k111.2k
右回し切り5.615.3k

← 右回し切り                              
R7ボリュームの回転角と抵抗(横軸は回転角の代用値)by LTspice

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