我が家の風呂場の入り口ドアは長年使用しているうちに、すりガラス(実際はプラスチック板)が横方法に割れていました。家人からこれを直して欲しいと言われたので、すりガラス交換をしようと思って検討を始めました。
方法は大きく分けて3とおりありますが、IIは30年以上前の交換部品が市場ある訳がなく、Iは、これもネットで見る限り使えそうなものはなく、IIIしか選択肢はありませんでした。
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方法 |
考慮すべきこと(デメリット) |
メリット |
I |
すりガラス交換 |
ドア/ガラスのばらし方
交換ガラス(プラ板)の入手性 似たものをDIY |
安い
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II |
ドアのみ交換 |
交換ドアの入手性(たぶん市場にない)
現状品のメーカー、品番調査 |
一番簡単 |
III |
ドアまるごと取り換え |
DIYでできるのか?一番困難
日にちがかかると風呂場が使えない 高価 |
DIYの楽しみ |
調査
ネット上に上がっている記事を読むと、「浴室ドアの交換はプロにお任せしよう」「素人の方には難しい作業が多いです」「よほどDIYに自信がある方でなければ、リフォーム会社へ依頼するようにしましょう。」と出てきます。検索上位は、ほとんどが業者さんが書かれたものです。動画もしかり。DIY記事がほとんど無いのも事実です。さらに、水回りというKey wordがDIY熱を不安と現実に引き戻します。でも、DIYで頑張っている方もおられ、参考になりました。
どういった工法のドアを買えば良いのか。何を買えば良いのか、最初の壁がここだと思います。私は、結構悩みました。ある程度予備知識がないと素人には手が出しずらいです。
工法
アタッチメント工法は既存枠の一部が見える工法で、カバー工法はそれをフルカバーする工法のようです。カバー工法は水漏れなどの心配が減らせるのでしょうが、ドア下にカバーの段座ができます。バリアフリーを思ったときにこれが致命的な欠点だと思いました。
工法 |
概要 |
図解 |
アタッチメント |
既存枠を残し、上枠と |
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カバー工法 |
既存枠の一部を残し、 |
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引用元 |
ー |
カバー工法は見た目が良くて施工が比較的楽なことが、業者が推奨する理由ではないかと推測します。素人の私には施工内容の想像ができないのですが、カバーの段差が気になるなら、『下枠なしの三方枠にて取付』との説明をされている業者もあります。
「四方アタッチメント工法」と 「上下アタッチメント工法」について
「2枚折戸」の場合でも既存の縦枠の戸当り部分の出が小さすぎたりすると取付後に脱衣室側への水漏れの可能性も 出てくるため既存の縦枠と新設扉との取り合いが気になる方はが「四方アタッチメント工法の2枚折戸」をお勧めいたします。 また、古いドア枠は出来るだけ見せたくないということであれば「カバー工法用」のタイプもご用意しております。 「カバー工法」専用の商品もありますが、オーダー製作で既存の枠の上に更に新枠を重ねて施工することも可能です。 この場合は下枠があると段差が生じてしまいますので、下枠なしの三方枠にて取付することが多いです。 既存枠と新枠の奥行サイズの取り合いにも気を配りましょう。 詳しくは各ショップの商品ページにてご確認をお願いいたします。
引用元:リフォームおたすけDIY
外付け/内付け
アタッチメント工法の商品に外付けと内付けがあります。図面を比較すると、アタッチメント外枠の取付面をどこにするかによって区別しています。ドアの正面側なら外付けで、側面側なら内付けです。
図面上で比較してみます。外付け型で設置できるのか、内付け型で設置できるのかを判断して注文する必要があります。図としては理解できるのですが、なぜその構成になるのかが理解できません。
施工後にこのブログを書いているので、「外付け/内付け」のどちらで取付できるのか先に見通しを立てて商品を選ぶように書いています。しかし、現実は何を選べば良いのか見当がつかず、やみくもにGoogle検索を繰り返した次第です。プロならば各々のタイプの違いと形状の違いが頭に整理されていて、交換前の現物を見れば容易に選べるのでしょうが、初めての素人では抑えるべきポイントが分かっていないので、ここで迷うと思います。我が家の場合は、ドア枠や風呂場のタイル面の状態が上記の図とは違い、どのタイプが適合するのかすぐにはわかりませんでした。
ドアの選定
はじめは、床面の形状を工夫すればカバー工法でも段差なく仕上げることができるかもしれないと考えていました。フルカバーで見栄えが良いことに魅力を感じていました。床の改修を思っていたのは、ここが長年の水分や湿気で腐りかけていたので、床面から取り換える腹積もりをしていたからです。
そこで、ドア周囲の柱、太引きや床の構造を調べて図面上での検討を始めました。
アタッチメント工法
下枠と床をSketchUpの3Dモデルで図示します。カバー工法では茶色のカバーとその補強部材を大幅にカットするか、床をカバー端まで後退させるような改修が必要です。さらに、他の場所でも現状の外枠と微妙に干渉しています。カバー工法では現物合せでの追加工が多くなりそうなので、やはりアタッチメント工法を選びました。
もう一点、カバー工法と言っても既存枠をフルカバーできるのは下枠だけでした。縦枠(側面)は同じ部品だと思います。どちらのタイプでも既存枠が見えてしまいます。
内付型
外付型では既存枠(緑色)の風呂場側面に取り付けることになりますので、既存枠をほとんど覆い隠すことができないことが見えてきました。ドアの開口幅を狭めないが、ドアが風呂場側に飛び出すことになります。一方、内付型では開口幅が少し狭まりますが、図のように体裁よく仕上がりそうです。
採寸とオーダーサイズ
注文したのは下記の商品です。品数豊富で、取付情報がまとまっているのでこのショップを選びました。

【楽天市場】浴室ドア 枠付 オーダーサイズ 浴室中折ドアSF型 内付型 幅530-850mm 高さ1801-2020mm LIXIL リクシル トステムSF型【アルミサッシ】【2枚折戸】【建具】【扉】 建材屋:リフォーム建材屋
ドア本体+枠セット オーダーサイズで製作する浴室2枚折戸アルミサッシ/2枚折戸/リクシル/浴室ドア。浴室ドア 枠付 オーダーサイズ 浴室中折ドアSF型 内付型 幅530-850mm 高さ1801-2020mm LIXIL リクシル トステムSF型【アルミサッシ】【2枚折戸】【建具】【扉】 建材屋
たて、よこそれぞれ3か所と対角2か所を測り、既存枠にゆがみがないかを確認しました。各々の測定値のばらつきは1mm以内だったので、施工がしっかりされていると言えます。その後の30年間以上の使用でのゆがみも発生していないとも言えます。
購入を考えていたネットショップに、実測からどの程度マイナスでオーダーすれば良いかを問い合わせしましたが、それへの返答はありませんでした。もし取り付かなかったら場合にショップの責任問題を回避するためには、お客様の指示どおりで作ると言うしかないのだと思いました。
また、製造メーカでの製造上の誤差を聞きましたが、ショップには誤差という概念が通じませんでした。
測定ばらつきが1mm以下とわずかだったので、測定上の最小値マイナス2mmでオーダーしました。測定上の読み取り誤差(1mm)+製造上のばらつき(1mm)=2mmを想定してのマイナス2mmです。
施工
オーダーした商品が届きました。ネットで注文した翌日に寸法確認のメールがショップから届き、それに返答した日数をいれて、オーダー日から10日後に配達されました。ショップがメーカに注文を出して、メーカーが製造して発送という流れだと思います。
外枠と折戸が組まれた状態でビニールにくるまれ、箱に入って送られてきました。全体をチェックしてから、現状のドア枠に仮組してみました。問題なく付きそうで一安心です。
床の改修
長年の水分で腐りかけていた床はプラスチック(抗菌まな板)に改修しました。このとき根太や太引きも目視確認しましたが、腐りかけているなどの異常はありませんでした。念のためできる範囲で塗装しておきました。
プラ板にまな板を使ったのは、床に使用されている厚さ12㎜の合板と同じ厚さのプラスチック板が他に見つけられなかったからです。まな板は10㎜のポリエチレンで、厚さ1㎜のポリ塩化ビニルシートを2枚重ねて12㎜にしました。ともにAmazon購入です。
既存枠の調整
現状の外枠は横方向に少し大きく、このままでは新しいドア枠からはみ出します。見栄えが良くないので、ここはカットすることにしました。下図で色付けなしの線だけで描いている箇所です。1.5mm程度のアルミなのでプロは金切りばさみで一気に切ってしまうようですが、私は腕力も道具もないので、サンダーで地道に切断しました。サンダーを恐る恐る片手で支えて、もう一方で引くやり方ですので、上から下まで1.8mをカットするのに4,5時間かかりました。
引用元:浴室ドアが壊れたらDIY交換できるのか?プロ施工を取材した
カットしなければならないところはまだあります。上下の既存枠にはレールがついています。これが新規ドアには邪魔になるのでサンダーや鉄ノコ、ヤスリを使ってカットしました。
そして、新規ドア枠の位置合わせのためにカイ物(スペーサー)を入れて調整します。カイ物にはまな板プラスチックやスタイロフォームを使いました。下枠用のカイ物は役割は土台ですので、水平の面だしと固定に苦労しました。
こういった点も素人では苦労するところです。そして、ここの出来栄えで完成度や耐久性が決まる要素です。
新規ドア設置
説明書に倣って取付します。カイ物が所定の位置に収まるよう両面テープを使いました。外枠とドアを一体にしたまま取付け、養生テープで仮固定します。ドアの開閉具合を見ながら問題なければ、外枠の上下左右を旧既存枠へねじ止めします。左右側面の既存枠は下地がありませんでしたので、ねじはひっかかり程度にした締めれませんでした。ねじは効いていませんが外枠の位置決めさえできていれば、外枠はシーリングで位置固定できますのでDIYレベルでは問題ないと思います。
まとめ
確かに、素人のDIYはかなり大変でした。ドアの設置自体はそれほどでもないのですが、その前段階の下地作りは、全くの初心者では図面検討がなければ成り立たないと思います。1,2度経験して設置するドアの形をイメージでき、どこが設置寸法なのかを見いだせれば、あとはなんてことはないのですが、はじめてではそれがかなり難しいと思います。
カビがなくなり気持ちよく風呂に入れるのが一番です。それと、ドア足元を徹底して防水対応仕様に変えれたことです。後日、脱衣所はフロアタイルに貼り変えています。
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