Googleで「レンジフード 交換 DIY」と検索すると、業者と個人DIYが入り混じって出てきます。業者のサイトではDIYを進めない理由として、次のことが列記されています。
- 資格が必要な工事がある。(コンセントをつけかえるならば)
- レンジフード交換は重労働で意外と危険。(重量物を高いところに持ち上げ)
- ダクト工事には知識や技能が必要。(規制、法令等)
- レンジフードは設置すべき高さが決まっている。(規制、法令等)
これらはDIYで設置するための注意するポイントだと受け取って進めます。電気工事の資格は持っているので、そこは問題ありません。規制、法令等はGoogleで調べました。
取付場所
取付部の強度
レンジフードの施工説明書にはフードが13kgf以上あるのでしっかりした取付を設けるように書かれています。現状はおそらく、9mmか12mmの合板でしょうから、取付桟を設ける改修が必然です。
規制、法令等
要点をまとめると、次のようになります。(1~5は消防法、6は建築基準法)
- レンジフード本体の幅及び奥行きは、調理機器の幅及び奥行きの寸法以上とすること。
- 金属製のグリスフィルターを用い、グリスフィルターは調理機器表面より80cm以上離すこと。
- レンジフード本体と可燃物との距離は10cm以上離すこと。
- 排気ダクトと可燃物との距離は10cm以上離すこと。
- 東京都では、ジャバラダクトは全面的に使用禁止の方向で指導されています。
- 火源または調理機器に設けられた排気口からフード下端までの高さを100cm以下にすること。(離れすぎると排気できないので、排気の効率を考えている。)
設置高さ
下地づくり
- 取付部の補強
- 排気口の改修
- 取付面の調整
- 電機工事と天板設置
取付部の補強
設計したレンジフードの高さに合わせて、取付部の補強をします。図示の水色で示す合板(9mm)を一端はがし、黄土色で示す樫の木(幅105mm、厚さ30mm)の取付桟を設計位置に入れて補強しました。茶色は柱です。さらに、元々は9mmだった合板は12mmに変更しました。
排気口の改修
換気扇がついていた一辺30cmの四角窓を改修して、排気ダクトが取り付くようにします。さらに四角窓の横のタイルが不揃いなのでタイル貼りも必要です。
不燃性カバー、ダクト取付枠アダプター
四角窓の内側にはケイ酸カルシウム製の不燃性のカバー(図示水色)をねじ止めします。その後、四角窓を塞ぐように壁板(同コルク地)を貼ります。この壁板にはダクト取付枠アダプター(同黄色)を重ねますので、ダクト用の四角窓を開けています。
レンジフードと排気ダクト間にジャバラダクトを利用することは推奨されていません。ジャバラに油が溜まり出火の原因となった事例があったようです。安全最優先ですので、ダクト取付枠アダプターの位置はレンジフードのダクトがそのまま付くように設計しました。ジャバラを使うレイアウトではレンジフードと排気口をかなり離して、ジャバラの取り回しをする必要があることもジャバラを使わない理由です。
ジャバラを使わない取付をするには、レンジフードと排気口ダクトの位置がそれぞれ正確にでていなければなりません。フード側ダクトの外径Φ142、取付枠アダプター側の内径Φ146ですので、4mm以上ずれると取付ずらくなります。現物合せの調整を容易にするためにも計画図面の精度と取付施工の精度が求められます。
レンジフード取付面のツラ合せと電気工事
レンジフード取付面(上図のうぐいす色)には6mmの合板を重ね貼りしました。取付面とタイル面のツラを合わせるためです。
100V電源の配線はダクトの熱影響を避けるため天井から持ってくるようにします。そのため天井板に100Vコンセントを設けました。施工説明書にはアースを設けるように指示がありますので、その指示どおりの電気工事を行いました。
取付
電動シャッター
風が強いと換気扇から外気が吹き込んでくることがありましたので、新設のレンジフードにはその可動と連動する電動シャッターを追加しました。レンジフード本体に直付けし90度曲げてダクトがつくタイプです。これをレンジフードに先づけします。
電動シャッターの排気口側には本体付属のアダプターをつけます。
先組み
レンジフード本体に電動シャッター、アダプター、取付金具を先に組付けます。
説明書どうりに本体の電源コードと電動シャッターの電源コードを組みます。電動シャッターを取り付ける場合はアダプターについていたシャッターを取り外すようになっています。
タッピングネジ
説明書には型紙に合わせて取付面の所定の位置にタッピングネジを締めこむように指示があります。型紙を見るとレンジフード下端を基準にするのが良いようです。
このとき、先に取り付けたダクト側の取付枠アダプターの取付ねじ位置を基準にして、レンジフード下端を割り出します。レンジフード下端は取付枠アダプターのダクトセンターから311mの位置です。きちんと位置をだすためにレーザー墨出し器を使用しました。
取付
取付は高さ1.9mの位置です。素人がこの高さまで15kgfのレンジフードを抱えて脚立を昇るのは想像しただけで危ないので、一端レンジフードを置く台をスタイロフォームや段ボールで作りました。この台に一端レンジフード置いてから、片側ずつ金具をタッピングネジに掛けるようにして取り付けました。
仕上がりは写真のようにできました。壁紙の貼り変えと同時進行で行いましたので、見えないところも壁紙を貼ってしまいました。出来栄えがスッキリしたと思います。
この写真を撮ったのは設置の4年後ですが、年月を経てどこかが歪むこともなくしっかりと設置できていました。